虎ノ門法律事務所のよくある悩みを解決

「売ると言っても手元にないものをどうやって売るのか?」。
それは「売りたい株を証券会社から借りて売る」のだ。 ここでも買いと同じように、金を借りるのと株を借りるの違いはあるが、借りたからには「借り賃」が発生する。
また手数料も必要だし、証拠金も預ける必要があるのは買いの場合も売りの場合も同じである。 うわき「この会社は業績が悪いし良い噂も聞かない。
チャートも下を向いているし」等と思えば信用で売る。 市場で100円の値段が付いている時に株を借りて100円で売る約束をする。
思惑通りに株価が下がり、卯円になったところで反対売買をして買い戻す。 買い戻した株は貸してくれた証券会社に返す。

数円から借り賃と手数料を差し引いたのがあなたの利益になる。 反対に、思惑が外れ株価が上がった場合はやはり買いのケ−スと同じ運命を辿ることになるのだ。
これもハイリスク・ハイリターンの方法である。 オレはこんな信用取引は誰にでも勧めない。
当たり前だ。 こんな取引を勧めて大損をされても責任が取れないからだ。
では、なぜ信用取引の説明をしたのか?というと「信用売り」には他の使い方もあるそれは「ヘッジ」である。 ヘッジとは保険の意味と考えておいて間違いない。
では「ヘツジファンドとは保険の投資信託か?」と言えばまた違う。 保険とは「自分の所有する株が下落するリスクを回避するため」の保険なのだ。
オレは中卒であるから「上場企業に勤めて自社株を毎月購入させられている」経験はないが、こんな人はたくさんいるだろう。 毎月、勝手に給料から天引きされて何年も勤めていれば「一体何株所有しているのか?」「オレの持ち株の資産はいくらなのか?」って人も多いのではないだろうか。
実際オレの周りにも何人かいるし、どうしたらいいのか?と相談される時もある。 そんなもの「総務課にでも行って、オレが買った株を返せって言えよ」とけしかけるのだが、流石にそこまではできない。
しかし、自分の持っている株数くらいはわかるはずである。 また他にも、長年上場企業に勤め定年退職して勤めていた会社の株を持っているのはいいが、有効な使い方を知らず、所有する株価の下落に憂欝になる人もいる。

これを読んでドキッとしたお父さんのことだ。 株の現物は持っているが値段の下落に反比例してお父さんの血圧は上がり資産は目減りする。
そんな時にこそ、ここで説明した「信用売り」が役立つのである。 所有する株価が下落基調にあれば「自分が持っている株数の範囲内」で信用取引を使って売り建てておく。
そうすれば現物の価値は下がっても、信用で売った分の利益で補える。 反対に、上げ基調の時は現物の価値が上がるので早めに売り建てを処分すれば済む。
信用売りは保険の役割を果たすって意味を理解していただけただろうか?何度も書くが、お勧めをしているのではなく「こんな手があることを知っておいて損はない」ということだ。 実際に取引するに際してはシステムをよく勉強し、自分にどんなリスクが降りかかる可能性があるのかを認識しておく必要がある。
「怖い、危ない、投機的」なイメージがある信用取引であるが、正しい知識を持って正しく使えば良いのである。 ところでこの信用取引、以前とは大違いである。
まだインターネットが発達する前の話であるが、「信用取引をしてみよう」と思い大手の証券会社を訪ねたことがある。 そこで聞いた説明は「預け入れ証拠金は初回が2000万からです。
現物の取引実績が半年以上あり、取引開始に当たっては役員との面談があります」と受付嬢は涼しい顔で。 オレは受付嬢の鼻の穴を拡げてやりたい衝動をこらえ、気を取り直して近くにあった中堅の証券会社を訪ねた。
そこでは「当社では取引にあたっては500万を用意していただきます。 役員と面接の結果ではお断りする場合も…」オレは対応に出たおっさんの残り少なくなった髪の毛を引き抜いてやりたい衝動をこらえ、気を取り直して日経平均先物の取引について尋ねると、訳のわからない投資信託を勧められたので、自動ドアが開くよりも早く逃げるようにして中堅会社を後にした。
「さて、どうしたものか?」と思案していると某外資系証券会社の看板が目に入った。 牛がトレードマークで自主廃業した山一誼券の後を継いだ会社である。
「オレは丑年だ。 それに外資系であれば話もわかるかも知れない」と勝手に思い込み、分厚い絨毯が敷き詰められた厳かな雰囲気のする店内へと足を進めた。

そこで待っていた受付嬢に話をすると「我が社では信用取引は扱っておりません」と言う。 世界に支店を持つ牛の会社が「信用取引はしていない」と言うのだ。
なぜか?と聞くと「我が社の方針です…」。 夏の暑い盛りに冷房の行き届いたオフィスでまたもや涼しい顔で言う。
オレは、鼻の穴を拡げてやりたい気力も、髪の毛をむしってやりたい気力もなくし、ミンミン蝉がやかましい外に出た。 ムッとする熱気の中で振り返ると、分厚いドアに映った自分の姿があった。
サンダル履きで派手なアロハシャツを着て人相は悪い。 とても2000万持っている人間には見えない。
実際持っていないのだから仕方ないが「人は見た目が9割」というのは本当かも知れない。 営業マンの金太郎飴ト−クそんな経験があり、信用取引の口座は諦めた。
しかし、ここ数年インターネットの発達と共に信用取引の敷居も低くなった(敷居が低いからリスクが低い訳ではない)。 おまけに手数料は格段に安くなり情報量も圧倒的に増えた。

見た目も問われない。 ネットのお蔭で驚くほどに信用取引が身近になったのだ。
こんな便利なものを利用しない手はない。 また、自分の持ち株のヘッジ手段として日経平均先物を利用する手もある。
大阪証券取引所で取引されている日経平均先物取引のことで「225先物」でも通用する。 これは、信用取引を使って持ち株の下落リスクを賄うのと同じで、自分の持ち株に見合った分だけ先物で売り建てをしておけば株が下がって胃が痛くなることもない。
しかし、この「先物」を取引しようと思えば、現在では1取引単位で約加万円の証拠金が要る。


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